犬の目と耳のケア完全ガイド:掃除の手順・危険サイン・受診のタイミング
犬の目と耳を健康に保つための、落ち着いた実践ガイド。耳が感染しやすい理由となるつくり、奥まで入れずに安全に掃除する方法、耳の形ごとの頻度、そして当日受診が必要な危険サインまでを解説します。

すぐに知りたい答え
Golden retriever being brushed
健康な目は澄んで明るく、うるおいがあります。健康な耳は淡いピンク色で、においもほとんどなく、汚れもありません。ケアの大半は、観察と軽い定期的な掃除です。獣医が認めた液で目頭の汚れをふき取り、耳は犬の耳の形に合わせた頻度でだけ掃除し、水に濡れたら必ず耳を乾かします。突然の痛み、頭の傾き、バランスの喪失、眼球の突出は緊急事態です。
- 健康な耳の色
- 淡いピンク色
- 耳道の形
- L字型(水分と耳垢がたまりやすい)
- 耳掃除
- 犬種と耳の形により週1回〜月1回
- 耳を乾かす
- 泳いだあと・入浴のあと毎回
- 絶対に入れない
- 綿棒を耳道の奥へ
- お世話の難易度
- やさしい〜中程度
犬の目と耳のつくり
健康な目は澄んで明るく、白目(強膜)は赤や黄ではなく白く、色のついた虹彩の上に透明な角膜があり、ほんのりうるおっています。犬は目の内側の隅に第三眼瞼という膜も持っています。いわば内蔵のワイパーで、表面をなでて守ります。この膜が目にはっきりせり出して見えるときは、目が痛いか体調が悪いサインであることが多いです。
やっかいなのは耳のつくりです。犬の耳道はL字型で、まず垂直に下り、それから水平に折れて鼓膜へ向かいます。この曲がりは繊細な内耳を守るのに巧みですが、同時に水分・耳垢・ごみを、暖かく暗いポケットに閉じ込めます。酵母菌や細菌にとって最高のゆりかごです。そこへ長く重く、通気をふさぐ垂れ耳が加わると、垂れ耳の犬種が耳の感染をこれほど起こす理由がわかります。
正常と異常:何を見るか
毎日のさっとした確認と、週に一度のしっかりした観察で、たいていの問題は早く見つかります。少量の澄んだ水っぽい目やにと、少量の薄い色の耳垢は正常です。それより濃い、粘る、におう、痛がるものは正常ではありません。
| 部位 | 正常 | 受診を |
|---|---|---|
| 目 | 澄んで明るく、わずかな透明の涙 | 充血、目を細める、白濁、濃い黄や緑の目やに、顔をかく |
| 耳 | 淡いピンク、においほぼなし、薄い耳垢 | 頭を振る、耳をかく、悪臭や酵母臭、赤み、黒っぽい・膿のような分泌物 |
| ふるまい | 落ち着き、音に反応する | 家具に耳をこすりつける、頭を傾ける、顔の近くを触られてびくつく |
よくある目と耳の病気
代表的なものを知っておくと、ちょっとした違和感と受診が必要なものを見分けられます。

Dog being examined by a person
| 病気 | 部位 | 主な症状 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 結膜炎 | 目 | 赤く、涙が出て、刺激された目 | アレルギーや感染が多い |
| 角膜潰瘍 | 目 | 目を細める、痛み、涙 | 痛みが強く早期治療が必要 |
| ドライアイ(KCS) | 目 | 粘る目やに、くもった角膜 | 慢性で生涯管理 |
| 外耳炎 | 耳 | かゆみ、におい、分泌物 | もっとも多い耳の問題 |
| 耳ダニ | 耳 | 黒っぽくぼろぼろの耳垢、激しいかゆみ | 子犬に多い |
| 耳血腫 | 耳介 | 腫れて液のたまった耳 | 激しく頭を振ることから |
外耳炎、つまり外耳道の炎症が、群を抜いて多いです。たいていは二次的な問題で、本当の引き金はその奥にあるアレルギー、閉じ込められた水分、あるいは草の種のような異物であることがよくあります。だからこそ、繰り返す感染は掃除の反復ではなく、根本原因への対処が必要です。草の種は夏にとくに要注意で、とげのある種が耳道の奥に刺さると、突然の激しい頭振りを起こし、獣医による摘出が必要になります。
目と耳のケアセット
小さな専用セットをそろえておくと、掃除が手早く安全になります。用意できたものから印をつけましょう。
目と耳の掃除の手順
掃除はやさしく、短く、決して奥まで行いません。目は、獣医が認めた洗眼液でコットンボールを湿らせ、目頭から外側へ汚れをふき取ります。左右で同じコットンを使わず片方ずつ新しいものにして、感染を反対側へ運ばないようにします。眼球の表面を押したり触れたりしてはいけません。
耳は、耳介を上へ引き上げてL字の耳道をまっすぐにし、勧められた量のクリーナーを耳道がほぼ満ちるまで入れます。耳の付け根を20〜30秒もみます。クリーナーが耳垢やごみをゆるめる、やわらかなくちゅくちゅという音が聞こえるはずです。一歩下がって犬に頭を振らせると、ゆるんだ汚れが上へ外へと飛び出します。最後に、耳の見える部分と耳道の入り口をコットンボールかガーゼでふきます。
耳の形で決める掃除の頻度
すべての犬に当てはまる正解の予定はなく、その犬しだいです。健康な耳を掃除しすぎると刺激になり、垂れ耳を掃除しなさすぎると感染を招きます。ケアは耳に合わせましょう。

Golden retriever with grooming supplies
| 耳の形 | 例 | 掃除の頻度 |
|---|---|---|
| 立ち耳・通気がよい | ジャーマン・シェパード、ハスキー | 月1回か必要に応じて |
| 長い垂れ耳 | コッカー・スパニエル、バセット・ハウンド | 週1回、および泳ぐたびに |
| 耳道に毛が多い | プードル、シュナウザー | 定期的な確認、トリマーの支援 |
| よく泳ぐ | ラブラドール、水好きの犬 | 泳ぐたびに、しっかり乾かす |
予防と毎日のお手入れ
予防の多くは、小さく一貫した習慣です。毎日さっと目と耳を見て、感染しやすい犬は週1回しっかり、そのほかは月1回掃除します。もっとも効果的な予防は、泳いだあとや入浴のあとに耳をしっかり乾かすことです。閉じ込められた水分こそ、多くの感染の栄養だからです。長毛種は目のまわりと耳の入り口の毛を整えて、通気をよくし刺激を減らします。バランスのよい食事と、奥にあるアレルギーのよい管理は、どんなクリーナーよりも慢性の耳と目の健康に効きます。
診療費は地域で差があり、問題が判断を迫る前に目安を持っておくと安心です。日本では一般的な診察がおよそ3,000〜7,000円、耳の感染の治療1コースは数千円から一万円台、慢性の耳疾患や目の緊急手術は数万円から十数万円に達することもあります。
年齢と犬種で気をつけること
ケアは年齢と犬種で変わります。子犬は耳ダニになりやすいので、耳を定期的に確認します。高齢犬は白内障、緑内障、難聴の可能性が高まり、こまめな観察が生きてきます。パグやフレンチ・ブルドッグのような短頭(鼻ぺちゃ)種は眼窩が浅く、目が露出してけがや眼球脱出を起こしやすいです。コッカー・スパニエルやバセット・ハウンドのような垂れ耳種は、通気が悪く耳道が暖かく湿るため、より頻繁な耳掃除が必要です。

Happy dog in a bright room
どんなときが緊急か
犬の耳は実際どのくらいの頻度で掃除すべきですか。
涙やけは健康の問題ですか。
気をつければ綿棒を使ってもいい?
うちの犬はなぜ何度も耳の感染を起こすの?
頭の傾きはいつも緊急ですか。
犬の目と耳は大切で、幸い少しの習慣で守りやすい場所です。毎日見て、やさしく必要なだけ掃除し、水のあと乾かし、本当の異変には素早く動く。この簡単なリズムが、犬の視力と聴力を一生守ります。
ハイライトとメモ
この記事は一般的な健康教育を目的としており、専門的な獣医学的アドバイスの代わりにはなりません。ペットが調子悪い場合は、獣医師にご相談ください。