猫のワクチン完全ガイド:コアワクチン・スケジュール・反応の見方
ワクチンは猫を重篤でしばしば致命的な感染から守ります。しくみ、コアと任意の違い、スケジュールや狂犬病の法規が国でどう変わるか、正常な反応の様子、そして受診が必要なまれな危険信号を解説します。

まず結論から
Cat and toy octopus interaction
ワクチン接種は、猫に与えられるもっとも効果的な予防ケアです。あらかじめ免疫系を訓練し、本物の感染に素早く立ち向かえるようにするのが原理です。子猫に必要なのは1回の受診ではなく一連の接種で、通常6〜8週で始め、少なくとも16週になるまで3〜4週ごとに繰り返します。1歳で追加接種したあと、成猫はワクチンの種類と生活様式に応じて1〜3年ごとに追加します。どのワクチンが必要か、狂犬病が法的に義務かは住む場所に大きく左右されるので、下のスケジュールは主治医と確認するための枠組みです。
- 子猫シリーズ開始
- 6〜8週
- 接種間隔
- 16週以降まで3〜4週ごと
- 最初の成猫追加
- 1年後
- 成猫の追加
- 1〜3年ごと
- コアの防御
- 汎白血球減少症・ヘルペスウイルス・カリシウイルス
- 正常な反応
- 軽度、24〜48時間で消える
ワクチンのしくみ
ワクチンは、病原体の安全な形である「抗原」を免疫系に見せます。改変されたり一部だけだったりして、異物として認識されるには十分でも、病気を起こすほど強くはありません。免疫系は反応して抗体と、そして何より記憶細胞をつくります。あとで本物のウイルスや細菌に出会うと、記憶細胞がすぐに認識し、感染が定着する前に素早く強い防御を立ち上げます。これが獲得免疫で、時間とともに薄れます。だからこそ追加接種があるのです。
コアワクチンと任意ワクチン
獣医はワクチンを2つに分けます。コアワクチンは、病気が重篤・広範、あるいは人にも危険なため、基本的にすべての猫に推奨されます。任意(ノンコア)ワクチンは、主にほかの猫や屋外への接触という、その猫個々のリスクに応じて選びます。
| ワクチン | 分類 | 何を防ぐか |
|---|---|---|
| FPV(汎白血球減少症) | コア | しばしば致命的なウイルス。激しい嘔吐・下痢・免疫崩壊 |
| FHV-1(ヘルペスウイルス) | コア | 猫風邪の主因:くしゃみ・目の感染・潰瘍 |
| FCV(カリシウイルス) | コア | 猫風邪、口内潰瘍、時に重い全身病 |
| 狂犬病 | 該当地域ではコア | 致命的な神経の病気、多くの国で法的義務 |
| FeLV(猫白血病) | 子猫はコア、以降はリスク別 | 免疫を弱め、がんを招きうるウイルス |
最初の3つはたいてい1本の混合注射になり、FVRCPと表示されることが多いです。AAHAやAAFPなどの猫ワクチンガイドライン、そして世界的なWSAVAガイドラインは現在、猫白血病ワクチンを1歳未満のすべての子猫でコアとし、成猫では生活様式に応じた任意としています。
狂犬病のルールは国で異なる
ここが住む場所のいちばん重要な点です。猫の狂犬病ワクチンは、法的義務の場所もあれば、まったく行わない場所もあります。ある国のルールが自国にも当てはまると決して思い込まないでください。
| 地域 | 猫の狂犬病ワクチン |
|---|---|
| 日本 | 法的義務は犬のみ、猫は義務ではない |
| アメリカ | ほとんどの州・自治体で法的義務 |
| イギリス | 国内では通常行わず、渡航時のみ必要 |
| オーストラリア・ニュージーランド | 接種せず、いずれも狂犬病清浄地域 |
| EUの多く | ペットの渡航時に必要、国により規則が異なる |
子猫のスケジュール
| 週齢 | 通常行うこと |
|---|---|
| 6〜8週 | 1回目のコア(FVRCP)、多くは1回目のFeLV |
| 10〜12週 | 2回目のコア、2回目のFeLV |
| 14〜16週 | 最後のコア、必要なら狂犬病 |
| 1歳 | コアと狂犬病の追加 |
| 成猫 | 生活様式に応じて1〜3年ごとに追加 |

Cat with food and weighing scale
一連の接種が必要なのは、子猫が母乳由来の一時的な免疫を持ち、それが守ると同時にワクチンの効きも妨げるからです。少なくとも16週まで繰り返すことで、母親からの免疫が薄れるタイミングで確実に防御が引き継がれます。
正常な反応か、危険信号か
多くの猫は1日ほど元気がなく、その後はけろりとしています。想定内と心配すべきものの境を知れば、落ち着いて安全に対処できます。
- 正常、24〜48時間で消える:軽い元気消失、食欲がやや落ちる、接種部位の圧痛や小さな硬いしこり。
- 異常、受診が必要:持続する嘔吐や下痢、じんましん、顔の腫れ、呼吸困難、虚脱。
受診前の準備
少しの準備で、受診はみんなにとって穏やかになります。
手順を順を追って
ワクチン接種は注射そのものだけではありません。まず獣医が診察します。ワクチンは健康な動物にのみ打つからで、当日の体調不良は延期の理由になります。生活様式、つまり完全室内か、外に出るか、ほかの猫と会うかを尋ねられ、これで任意ワクチンが決まります。次にワクチンを、通常はガイドラインに沿って四肢の決まった位置の皮下に接種します。その後は自宅で24〜48時間、静かで快適な場所で見守ります。

Cat with food bowls
接種後のモニタリング
48時間は、簡単な3つの確認をします。元気を見る:少し静かは正常、ぐったりは異常。食べる・飲むを見る:少しの低下は問題なくても、24時間を超えて食べず飲まずは危険信号。接種部位をそっと触る:小さく硬く痛くないしこりは正常のこともありますが、明らかな腫れ・熱・痛み・分泌に注意。大きくなる、または3か月を超えて残るものは診察を。
だいたいの費用
費用は地域や病院で大きく異なり、初年度の子猫シリーズは成猫の追加1回より当然高くなります。
| 地域 | コア追加(1回あたり、目安) |
|---|---|
| 日本 | 3,000〜7,500円 |
| アメリカ | US$25〜60 |
| イギリス | £40〜70 |
| オーストラリア | A$70〜110 |
| カナダ | C$30〜70 |
数回の受診からなる子猫の一連の接種に、必要なら狂犬病を加えると総額は上がり、多くの病院は健康診断や寄生虫予防とまとめて行います。
緊急事態:今すぐ受診
重い反応はまれですが実在します。接種後数時間以内に次のいずれかがあれば、すぐ受診してください。

Cat being brushed in a bed
- 重い、または繰り返す嘔吐や下痢
- 呼吸困難、ぜいぜい、咳
- 顔・口元・目の腫れ
- じんましんや広範囲の皮膚の赤み
- 突然の虚脱や強い脱力
- 歯ぐきが白い
年齢と品種の考え方
子猫シリーズは土台で、母親由来の免疫が薄れるのに合わせて引き継ぐよう組まれています。成猫はその1歳の追加を受け、以降はワクチンと曝露に応じて1〜3年ごとに追加します。高齢猫では、獣医が生活様式と健康を見続けます。リスクの低い室内の高齢猫では一部の任意ワクチンを控えることもありますが、コアの防御はふつう続けます。大きな品種別のワクチン規則はありませんが、生活様式は計画を変えます。たとえば展示会に出る血統猫は多くの猫と会うため、より充実した任意スケジュールが要ることがあります。
よくある質問
完全室内の猫でもワクチンは本当に必要?
成猫の追加接種はどのくらいの頻度?
接種後に猫がだるそうなのは正常?
なぜ子猫は1回でなく複数回打つの?
うちの猫は法的に狂犬病接種が必要?
注射部位肉腫とは?
ハイライトとメモ
この記事は一般的な健康教育を目的としており、専門的な獣医学的アドバイスの代わりにはなりません。ペットが調子悪い場合は、獣医師にご相談ください。